靴の通販「javari」。変えたのは、物流ではなく常識。

2010年4月1日

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javariのショッピングサイト

靴の通販、javariのサイト

ネットでは売りにくいと考えられているものを売る・・・・。新しいシューズ販売サイトのオープンを機会に考えたこと。

アパレル通販を中心とするスクロールが4月1日、靴販売のECサイト「kutuya」をオープン。
「kutuya」はパンプス・サンダル・ブーツなどを販売する靴専門サイトで、5000円未満の商品を多数取り揃えている。同社は、靴の専門サイトを立ち上げることで、靴分野の売り上げ拡大を図り、同社の通販事業のビジョンである「ファッションポータル」の実現を目指すという。

靴といえば、実店舗で試履きした上で購入しても、結局足に合わないこともあるくらい、フィッティングが難しいアイテム。通販で売るには、洋服以上にサイズの壁があると言われていた。しかし、このように新しい販売サイトも出てきているとおり、実際にはシューズの通販は伸びている。

シューズ通販のイメージを変えたジャヴァリのしくみ

シューズ通販のイメージを変えたのは、やはり、「何足でも試せる」「全国へ、翌日お届け」「送料&返品無料」を打ち出したJavariだろう。Javariはアマゾンが運営しており、Javariとはアマゾン川の支流の名前だそうだ。

  • 同じ靴をサイズ違いで複数注文。→自分にぴったりのサイズのものだけ購入して、後は返品。
  • 同じ靴でも色違いのものを複数注文。→実際の色合いを見て、気に入ったものだけ購入して、後は返品。
  • 違うメーカー、デザインの靴を複数注文。→実際に見て気に入ったものだけ購入して、後は返品。
  • JavariならこれらすべてOK。しかも返品送料も無料。もちろん、全部返品して、ひとつも買わなくても無料である。

これなら実際の靴屋さんで買うのと変わらない。いや、お店で店員さんに気を遣いつつ、何足もサイズ違いや色違いを用意してもらうよりも、いっそ気楽に試すことができるかもしれない。自宅でなら、いろいろな洋服とあわせながらコーディネートをチェックしながら楽しんで試履きもできるし、家族の意見も聞ける。普段は履かないデザインに挑戦してみることもできる。

商品特性の弱点をカバーし、独自のサービスとしてアピールさせる戦略

実は、シューズで、「翌日配送、送料・返品無料」は、他社で全くやっていないという訳でもなかった。また、試し履きとはいえ、一度はすべてを購入するかたちでもある。
Javariのうまいところは、しくみが新しいわけではなく、「お気軽に試して、いらないものはどんどん返品してください」という「返品推奨」とも言えるメッセージを積極的に投げかけたことであろう。一般には「売り手にとってはあまり歓迎すべきでないもの」という返品のイメージ、いわば常識を一新した点が新しいと思う。

「履いてみないとわからないシューズだからこそ、どんどん試して、気に入ったものだけお選びください」というメッセージは、「ああ、気兼ねなく、たくさん試していいんだ」という安心感を与え、注文への精神的壁を取り払う効果が大きい。同時に、自らが売っている商品の特性や、買い手の気持ちがよくわかっているな・・・というショップへの信頼感にもつながる。「送料・返品無料」のしくみは、試履き推奨メッセージを加えることで、実際の何倍もの価値を持ち、プロモーション効果を最大化したと言える。

それに、いくら無料でも、ただ試すために注文する人は、ごく稀であろう。現実には、例えば「10足とりよせてすべて返却」などという人は少ない気がする。逆に、比較するつもりが「気に入ったから2足買っちゃおう」効果もあるかもしれない。その意味でも、返品送料はプロモーション費と考えれば安い。(物流機構の合理化では、高度なシステム化実績のあるアマゾンだからこそできることではあるだろうが)

サイズ情報を充実させ、実際の返品率も通常の範囲内。

Javariでは、フィッティングを専門に行なうスタッフ「シンデレラ」が、レディースシューズを一足一足実際に試着して、数字だけでは表せないその商品の特徴をチェック、「フィッティングスペシャリストの履きごこち」という欄に掲載している。さらに、一般の購入者からのフィッティングレビューも合わせて掲載。購入者への参考情報として提供している。

これらの地道な努力のせいか、実際の返品は少ないようだ。ダイヤモンド2010年3月13日号の記事によれば、無料をうたったにもかかわらず返品率は通常の通販と変わらず、当初予定していた「物流の効率化による返品コスト吸収」も結局必要なく、売り上げも好調という。

ためしにJavariで靴を買ってみた。4つ取り寄せ、3足返品。返送も簡単だし、クレジットカードで買ったので、マイナス処理もすぐに行われ、〆日には一足分しか請求されなかった。通販に向くか向かないか、それはマーケティング戦略次第というひとつの好例だと思う。

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