千趣会のベルメゾンネットが、衣類のクリーニングと長期保管がセットになった通販型「クリーニングサービス」を、開始した。
ベルメゾンネットのサイトの専用ページから注文すれば、専用バッグ等一式が自宅に届き、衣料品を入れて宅配便で送るだけでOK。クリーニングされた衣類は、専用倉庫で最大8ヶ月後まで預かってもらえ、指定した時期に自宅へ「仕上がり品」を届けてくれる。
かさばる冬のコートやダウンをまとめて送り、クリーニングした後、空調やカビ対策の整った倉庫で次シーズンまで保管してもらう・・などの利用ができる。クローゼットもすっきりし、保管の手間もかからない便利なサービスだ。
パッケージ化により、わかりやすく選びやすいサービスが完成。
クリーニング店での保管サービスは、ずいぶん以前からある。それをネットで受け付け、宅配で引き取り・配送できるようにしてはどうか?と考えるのは、ごく自然な流れだ。事実、ネットで注文できるクリーニング&保管サービスは、すでにたくさんあるし、中には、ドレスファイル・オンラインクローゼット/などの、かなり以前からやっている、よくできたネットサービスもある。しかし、それでも、ベルメゾンに勝算はあると感じた。
潜在的関心層は多いと思うが、まだまだ、利用が一般化しているわけではない「クリーニング&保管サービス」だが、ベルメゾンネットのサービスは、次のような点で、最初の一歩が踏み出しやすい感じがする。
サービスをパッケージ化
クリーニング、引き取り&配達(物流)、保管(倉庫)の要素をオールインワンにまとめており、「すべておまかせ」で手配してもらえる。
料金体系がシンプル。
クリーニング、往復の宅配、保管のセット価格で、上限10着・20着・30着までの3コースを用意。衣類のアイテムごとにクリーニング料を設定し、そこに保管料を加えていくなどのこれまでのサービスとは一線を画している。わかりやすく選びやすい。しかも、いつものショッピングカートで、注文できる。
クリーニングや保管の品質を強調。
「クリーニングはクローゼット型の立体静止乾燥機を使用して型崩れを防止」「プレスは、世界の一流アパレルメーカーでも使用している人体型プレス機と同じ」「24時間空調が行き届き、防虫・防カビ対策を施した専用倉庫で保管」など、質へのこだわりを強調している。専門のクリーニング店よりも質が落ちるのでは?という不安を払拭し、安心して利用できるようにしている。
使ってみて便利さを実感すれば、一定の継続率は保てるのではないかと思う。
ビジネスとしての採算性はあるのか?
ところで、おそらく千趣会は、クリーニング、物流、倉庫管理などのそれぞれを外部の専門会社に委託しているはずだ。それで、採算はとれるのだろうか?
それは、ボリューム勝負であろう。
注文をたくさん集めてスケールメリットを出せば、委託コストは軽減できるし、管理もシステム化でき、品質維持も行いやすくなる。特に、市場が縮小しているクリーニング事業者にとって、このようなスキームはわたりに船のはずだから、協力は惜しまないだろう。
通販会社の、インテグレータとしての新しい可能性
通販会社が「モノ」ではなく本格的に「サービス」を売るという取り組みが成功すれば、提供するサービスは順次拡大できる。価格競争や送料無料などのサービス合戦が進むネット通販分野で、「サービス」を売るという新しいステージをつくることの意味は、大きいのではないだろうか?
自社の顧客にマッチし支持されるサービス企画が行えれば、サービス運営のスキームは、提携などで都度つくっていけばよい。いわばサービスのインテグレータのような役割を担っていける。
また、例えば、「シーズンオフのクリーニングと保管をセットにした寝具の販売」「高額衣類に、クリーニングサービス割引チケットをつける」などのサービスも考えられる。それを、単なるプロモーション材料としてではなく、「モノを売るマーケティング」から、「生活シーンを支援するマーケティング」へのシフトという視点で考えていけば、モノの販売においても、より顧客の支持と集約化につながる可能性があるのではないだろうか。






